○議長(
古舘章秀君) 田中尚君。
◆20番(田中尚君) 送電網の件に関しては、
一定解決の見通しがお持ちだというふうに私は理解をいたしました。 そこで、次の問題は、この
再生可能エネルギーの地産地消の在り方だと私は思うんです。簡単に言いますと、先ほど指摘したように、ブルーチャレンジプロジェクトもそうだったように記憶をしておりますけれども、やはり日本を代表するトヨタも含めて大企業がこの中に入ってくるのは駄目だとは言いませんが、それと並行して、そこの地域に暮らす住民の皆さんが主体となって、その事業にも関われる、そういうものも必要ではないのかな、そうなりますと、いわゆる
エネルギーの分散型ということが次に出てくるわけであります。北海道の
ブラックアウト現象を見ても、今の日本の政策は効率を求めるあまり1か所
大規模集中型ということで、大変な目に遭っておりますので、少なくても
再生可能エネルギーにつきましては、分散型がこれから大事だということも言われておりますが、市長もその点のご認識は同じかどうか確認をさせていただきます。
○議長(
古舘章秀君)
山本市長。
◎市長(
山本正徳君) おっしゃるとおりだというふうに思います。
自分たちのつくったその
エネルギーを
自分たちで使えるようにする、閉鎖型の送電網みたいな形のものも将来的には考えていかなければならないんではないかなというふうに思います。我々の地域は、今まで経験したように
自然災害が非常に大きい、多発するところでありますので、しっかり
自分たちのつくった
エネルギーを
自分たちで使えるような形にするというのが大事だというふうに思っていますし、また、このことによって、外にその
エネルギーの分のお金を払っている部分を
自分たちの中で、そこのお金の部分も
自分たちで使えるような形と、
地域内循環ができればいいのかなというふうに思って進めていきたいというふうに思っています。
○議長(
古舘章秀君) 田中尚君。
◆20番(田中尚君) 今、市長からお答えいただいた中身に関して言いますと、簡単に表現しますと、自立分散型ということになるわけでございまして、その方向に向けてぜひ具体化してほしいなと思いがあるわけであります。 同時に、この
再生可能エネルギーの問題点として指摘されていることに不安定だという、例えば、太陽光を例にした場合に、天候が悪かったり、夜になると発電できないということが一番の弱点として指摘はされてまいりました。しかし、これも蓄電池と組み合わせることによって、それもクリアできるということも指摘されておりますし、分散型の
発電施設をたくさん造ることによって
エネルギーの供給も標準化されると、決して不安定ではないんだという、言わば専門の方の助言もございますので、そういった意味では、宮古のこの木材と太陽というこの願ってもない
エネルギーを本当にこれからどうやって生かすのかということが、よく言われますように、
ポストコロナ、コロナ後の次の社会をどうして構築するのかということに応える大事な資源ではないのかなと私は思っておりますので、ぜひ取組の強化をお願いしたいというふうに思うわけであります。 その上で、ちょっと私が見えないなと思うのは、宮古市がこのたび出資をいたしました。これももちろん一つの方法であります。地産地消、地域に還元をする、事業に基づく収益を宮古市が受け取ることによって、結局は間接的に住民の皆さんに還元することができるという点では、地産地消だと思うんですが、ちょっとやっぱりもう一つ弱いというか、細いというか、そういう印象がしておりますので、次の
推進計画の中では、そこをさらにもっと、市民の皆さんが、表現を変えますと、目の色が変わるような事業を構想しているのかどうなのか、この点では最後に伺いたいと思います。
○議長(
古舘章秀君)
滝澤エネルギー政策担当部長。
◎
エネルギー政策担当部長(滝澤肇君)
推進計画の中で、具体的に取り組むということをお示しができればよろしいかとは思いますけれども、現段階でどういったものかというものはまだ想定はされておりません。ただ、
事業主体に市民、あるいは市、そして地元企業がなっていくということをできるような、そういった立てつけを宮古市としては進めていくという方針をお示しをしていきたいというふうに考えております。
○議長(
古舘章秀君) 田中尚君。
◆20番(田中尚君) そういった意味からしますと、現時点ではなかなかお示しができないというお答えでありますけれども、以前に私は
一般質問でも市長に要望した記憶があるんですが、この宮古市の確固たる姿勢を示すために、よそでもやっておりますように、名称はともかく、やっぱり
環境都市宣言ということで実際に取り組んでいる自治体も出ております。そういった意味からすると、この宮古市がこれから目指すべき一つのまちの姿、形、目指すべき方向性ということで、宣言はもちろんなんですけれども、もっとひっくるめて、この
環境都市宣言というものは検討されたことがあるのかどうなのか伺います。
○議長(
古舘章秀君)
山本市長。
◎市長(
山本正徳君)
環境都市宣言という言い方がいいのかどうか分かりませんが、しっかりしたこの方向性が見えてきたときには、それなりの意思表示みたいなものは必要だというふうには認識しております。 少し説明させていただきますと、東日本大震災後に、
自分たちで発電をして、
エネルギーを
自分たちで確保する必要があるだろうというので、この地域は原子力もない、あるいは火力もないところで、やはりできるのは
再生可能エネルギー、
再生可能エネルギーは環境にもいいということで、
再生可能エネルギーを進めましょうということで、スマートコミュニティ事業とブルーチャレンジ事業と2つ立ち上げました。 今やっとこのブルータワーの、水素というものに対して、国なんかもやはりこれからは、例えば、いろんなところで、先ほど
田中議員がおっしゃったように、昼しか発電できない太陽光の電気をどうやって蓄積して夜に使うかというようなところも、一つは蓄電池、蓄電池は容量が大きくなると、今の段階では非常に大きくて、これを持ち運ぶというのはなかなか大変だというので、今、水素が注目されているわけであります。実際、この水素をつくり出して、水素を使おうというところまでいったんですが、なかなかプラントがうまく動かなくて、宮古の場合もちょっと今は少し小休止しているような状況であります。 そういう中で、
自分たちがこれから発電して、そして、それを新電力で回すと、配電するというようなところの組織が、今のところは大手企業にやっていただいたと、ここの部分を我々市なり、市民に還元するような形でそこに我々が参画していくと、順番がちょっと違ったかもしれませんが、そういう形にしていってこの配電、それから発電、ここの部分も、我々が今、既存にあるほかの企業がつくったやつに、我々も一緒にそれをやっていくということ、それから、これから市民と一緒に発電所を造るとか、いろんなことをこれからやっていくわけです。その
推進計画は来年度につくる予定と、調査もしながらつくっていくというような状況があります。もう少し、いろんなことが具体的に説明できる状況になったときに、やはり何らかのアクションは必要なんだろうというふうには、今のところ認識しております。
○議長(
古舘章秀君) 田中尚君。
◆20番(田中尚君) 市長のただいまのご答弁の中に、その順序が違ったのかなという思いが示されましたので、そこは私なりに一つの期待が持てる部分なのかなと思って受け止めておりますので、改めてよろしくお願いしたいという部分であります。 そこで、質問の2点目に移らせていただきます。 これも1番の大きな
環境都市宣言に関連する分野であります。具体的には、山林の保全と、先ほど
滝澤エネルギー政策担当部長のほうからお答えがありました
木質バイオマスの活用、これは言わば密接に絡んでくるものでもあります。したがいまして、この山林の保全のためにも、例えば、放置されている間伐材だとか、そういう倒木材も含めて、これをしっかり商品に変えるためには、この間、宮古もいろんな取組をしてきておりましたけれども、言わばその2つだと思うんですね。暖房用の燃料としてのチップ材の活用、そういう中で山の荒廃を抑えていくと、もう一つは、答弁の中にもあったように記憶しておりますし、この
ビジョンの中にも示されておりますけれども、木造住宅の推進、特に国のほうは、
公共施設での木造化ということを非常に方向とすれば強調しておりますし、そのためにはやっぱり各種の補助メニューもできているというふうに聞いております。 残念ながら、この間の市の対応は鉄筋コンクリート依存型の推移で来たのかなというのが私の認識でありますけれども、ここから先は、文字どおりやっぱり山をしっかり保つためにも、出口がないと、木を伐採をして、それでやっぱりビジネスとして成り立つような、ビジネスというと大げさになりますけれども、そういった部分からいきますと、やはり燃料化による原料に充てるチップの工場、もう一つは、建築物における活用ということになります。キーワードは、チップと、現時点では、前にも紹介させていただいた記憶ありますけれども、直交集成材、CLTであります。 先日、私は、ちょっとたまたまBSを見ていましたら、テレビ東京でこういう番組を報道していました。それは、岡山県真庭市の銘建工業さんの取組なんですけれども、文字どおり、木造の弱点とされております耐震性、それから、一番の弱点は燃えやすいと言われておりますけれども、今はそれも技術的に突破しております。一番の問題は、コストなんだそうです。この番組で紹介していたコスト単価は、簡単に言いますと、この直交材を含めた木造は、坪単価70万、木造が一番安くて50万、鉄筋が次に安くて60万、鉄筋コンクリートは70万ということで、この高コストを抑えないと普及しないということで、技術屋さんが奮闘する様子を紹介していました。 これは、結局、その中で大事なことは、もう出口が見えているんですよ。そうなりますと、今の局面では、何か銘建さんの宣伝みたいになりますけれども、この直交集成材を使う、やっぱり取り扱う建築屋さんをどんどん組織しているという局面にあります。もうどんどん、そういった意味からすると、鉄筋コンクリートでなければ建てられなかった高層住宅も、全く問題なく建てられると。 しかも、ここが肝心ですけれども、人間にとって優しいと、つまり、木材のよさは、鉄筋コンクリートはもう造った日から10年後には、もうどんどん劣化が進んでいくと。木造はそれがない。極端なことを言えば100年、200年、手入れのしようによっては長持ちしますから、同じコストで造ったとしたら、はるかに木造のほうが安いというふうに考えられることができると思うので、そこで2つの質問になりますが、このチップ工場、市内では、小林三之助さんがチップを生産しているというふうなお話も聞いておりますけれども、ここはパルプ会社に行くんだそうです。つまり、紙に向かうためのチップ工場であります。 宮古市の場合には、やっぱりボイラー、石油に代わるチップを使った形で暖房を取るということをやっぱり本気になって具体化する時期に来ているのではないのかなと思うんですが、この件についての
問題意識といいますか、認識について伺います。
○議長(
古舘章秀君) 伊藤
産業振興部長。
◎
産業振興部長(
伊藤重行君) その
木質バイオの部分につきましては、やはり我々も、宮古市の92%を占めておりますので、非常にこの可能性を検討しなきゃならないという立場でございます。安定した燃料供給の可能性、事業の採算性、そして、バイオマスボイラーの導入であったり、地域内の循環システムの構築、長期的な供給が可能となる森林の経営、このような観点から、今年度、国立研究開発法人森林研究・整備機構、森林総合研究所に、現在、調査研究を委託するべく協議を進めております。ただ、人との行き来が、コロナによって具体的に実際、動きが取れなかったために、補正予算でこの委託費を計上しようと思っていたんですが、非常に厳しい状態が生まれていましたので、新年度、令和3年度にこの部分について予算を上程する予定で、現在、協議は進めております。
○議長(
古舘章秀君) 田中尚君。
◆20番(田中尚君) いわゆる何事も、これからやろうとすることが事業として収支が取れるんだろうかと、ここはやっぱり大事であります。そういった部分からしますと、今お話しの研究所との調査研究も考えているということなので、大いに期待したいと思うわけでありますけれども。今、一方においては、今までは、霞が関は経済産業省の力が強かったという時期があった、菅政権に代わってもっとひどくなったという評価を私たちは持っていますけれども、それはさておいて、今、霞が関では、環境省がやっぱり非常に存在感を発揮しつつある。それは、この脱炭素の関係があるんですよ。そういう中で、今どういう事業が紹介されたかといいますと、環境省の所管でありますけれども、自立分散型
エネルギーシステムの構築に関しては、様々な
補助制度がもう動き出しております。 はっきり言いますと、今の市場調査の兼ね合いも含めて、これに対する委託費も含めて上限1,000万の助成費、もう一つは、設置費に関しては4分の3の費用を補助するというのがありますので、早くやっぱりこういう制度を使って、地域の埋もれている資源を効率的に使う、そうすることによって雇用が生まれるんですよ。 そこで、私もちょっと改めて教わったわけでありますけれども、正直言いまして、その方にお会いするまでは私も分かりませんでした。つまり、間伐か皆伐という認識がなかったんですよ。
田中議員が違うよ、市内でも有力な林家の方が、もうこれに取り組んでいますよと指摘をいただきました。それが自伐型林業であります。つまり、皆伐はもう私の頭みたいにしてしまう話なんですけれども、いい意味で風通しもある程度よくしながら、山を元気にするためにはこの間伐をしっかり行う、やり過ぎても駄目なんだそうです。これは、やっぱり台風とか、豪雨の際に山林の崩壊につながりますから。 そういった部分からすると、今度、やっぱり自伐型林業の導入も非常に、高知県がモデルでありますけれども、宮古市としても大いに参考にして推進していく必要があるなと思うんです。これ農家の方もやれることなんですね。という意味では、飛澤課長が詳しいと思いますので、ちょっと、もし私の説明で足りない部分があれば、この自伐型林業についての今後の市の決意について伺いたいなと思うんですが、いかがでしょうか。
○議長(
古舘章秀君) 飛澤
農林課長。
◎
農林課長(
飛澤寛一君) 自伐型林業、今とても注目されている林業だと認識しております。100年先、200年先の森を見据えて木を育てていくと、間伐を進めて、広い面積の中にある程度の本数のみ育てて、そのことによって根もしっかり張るし、木も大きくなって価格も上がっていくということだと思っております。 実は、宮古市内にも自伐型林業に取り組まれている方もおります。それから、昨年、その関係もありまして、自伐
型林業推進協会の方が講師として宮古においでになり、森林の中で環境を壊さない作業道の造り方とか、森林の育て方という研修を2日間やりまして、私も現場に行って勉強させていただきました。とても理想ではあるなと思っています。また、あの自伐型林業というのは、昔の、多分この辺でも行われていた林業なんだろうと思います。農業をやりながら山を管理すると、あとは、ほかの仕事しながらとかという形だと思います。 今、市内でも定年退職された方々、今まで自分の山を持っていても管理されてこなかったという方々が、どんどん自分の山を管理してみたいということで勉強し始めているようです。そういう方々にも、自伐型林業を含めた林業の進め方を、ぜひ
研修会等を開いて進めていきたいなと思っております。自伐型林業が全てではないと思っておりますが、方策の一つとしては、ぜひ進めていきたいと思っております。
○議長(
古舘章秀君) 田中尚君。
◆20番(田中尚君) つまり、効果的な間伐によって、この価格の出た状態に立木を生育をして、そして売る、これが基本だと私は教わりました。したがいまして、今のようにバナナのたたき売りのような感じで売って、足りない分を補助金で補うという、こういう発想では駄目なんだということをどなたも指摘している部分でありますので、ぜひ宮古市も、そういった意味では97%が山林ですので、ここが本当に、台風や大雨の際に災害の元凶になるのか、それとも、私たち住民のやっぱり懐が豊かになる、この分かれ目でもあるのかなと思って私はお話を聞いておりましたので。飛澤課長は、そういった意味からすると、実際にそういうふうな情報も得ておる様子でありますので、ぜひこれからの脱炭素宣言を一つ補う形として、しっかり雇用を生みながら、なおかつ、都市整備部の所管になりますけれども、流木が流れてきて、せっかくの橋が壊れたりとか、そういうことが生じないような、山が本来の保水力を持ってしっかりと災害を未然に防止する、そういうことも私は、国のほうにお話をする際に、国土強靭の一つの政策でもあるんですよ。 そういった意味からすると、非常にここは大事な柱だなと思っておりますので、これからも宮古市の宣言に伴う形で、林業分野からここを立ち上げていくという形でぜひお願いしたいというふうに考えているところであります。 そこで、もう一つの柱なんですが、私は
木質バイオマスボイラーで、以前、予算委員会だったか決算委員会だかで指摘をした、あるいは
一般質問でも取り上げた記憶あるんですが、何で宮古市の
公共施設の温浴施設が重油なんだと。 実は、去年だか、おととしだったかしら、湯ったり館、前に副市長なさった、今は社長でありますけれども山口さんにお話をした際に、湯ったり館のボイラーどうなっているんですかと言ったらば、更新したばかりだと。つまり、重油依存のボイラーに変えちゃったということで、ええという感じだったんですけれども。宮古市が、そういう意味では、そのチップ工場を造りながら、なおかつ、出口の部分では、やっぱりサン・スポーツランド、それからグリーンピア、湯ったり館、その他もろもろ市民の利用も含めて、やっぱりチップを地域で消費するという、こういう仕組みができると、私はやっぱりチップ工場やろうということも出てくるのではないのかなと思うんですが、その辺はどこが担当になるのか、ここがまた悩ましいところなんですよ、今度、縦割り行政の。 そういった意味で、多分私の認識は、それはもう農林課だろうという認識ありますので、先ほどの、言わばその元気な100年先、200年先の山を見据えることができる、なおかつ、その中で、山がどんどん元気になっていくということを考えたときに、このボイラーの、言わば石油から
木質バイオマスボイラーへの転換ということも一つのキーワードになるんではないのかな、私はそう考えるんですが、その点については、市のほうでは今どういうふうな受け止めをしているのか、お聞かせいただきたいと思います。
○議長(
古舘章秀君) 伊藤
産業振興部長。
◎
産業振興部長(
伊藤重行君) まさしく我々、今現在、取り組んでいる
地域木材利用の促進ということで、住宅への補助金であったり、
公共施設の
地域木材の積極的な利用であったりと、宮古市産材の魅力の発信というようなことはやっておりましたけれども、実際そのチップの部分の、
木質バイオマスのボイラーという部分については、意外に発想から漏れていたなというのが正直なところでございます。今後、その部分も当然考えていかなきゃならないという認識に立たせていただきました。
○議長(
古舘章秀君) 田中尚君。
◆20番(田中尚君) 菅政権の最大の売りは脱炭素宣言だと、私はそのように理解をしております。ところが、地方に来ると、例えば宮古市の場合には、実際とすれば石油依存型の体質から抜け切れていない。なおかつ、ボイラーを新しくしたばかりだということになると、当分は使おうということになるわけですよね。ここをどうやって、やっぱり解決していくのかと。つまり、国がせっかくそういう方向を目指しているのであれば、自治体の負担、企業体の負担になるような設備の更新については、国も応援しますよ、取り替えなさいということを出さないと、これなかなか絵に描いた餅になっていくのではないのかなと思っておりますので、その辺も強力に、先ほど市長が送電網の関係でいろいろ成果といいますか、取り組んできた内容について回答をいただきましたので、この分野でもそういう方向で、
木質バイオマスとしてのチップの消費拡大につながるような施策を私は期待したいなと思うんですが、市長、いかがでしょうか。
○議長(
古舘章秀君)
山本市長。
◎市長(
山本正徳君) おっしゃることはそのとおりだというふうに思います。今できないでいるというか、の理由が、やはり2つぐらいあると思います。 一つは、そのチップの価格が、例えば、それを製品として出すようなチップと、それから燃料にするチップだとかなり価格差があるというのが一つ。それから、もう一つは、今92%あるこの森林の中で、間伐材を集めてきて燃料にするくらいの量が今の段階では出せていない。ですので、まずチップをつくる工場を造る、それを用意しなければ、ボイラーだけ用意しても、なかなかそれに供給できないというのが今の現状だと思いますので、これからは、チップを燃料用に使えるような価格でもってやれるような、そういうシステムをつくると。そして、各ところにボイラーを置いて、そこに安定的に低価格でそのチップを出せるというような仕組みも、これは
再生可能エネルギーの取組の中でやらなければならないことだというふうに思っていますので、そういうところもこれから進めていきたいというふうには思ってございます。
○議長(
古舘章秀君) 田中尚君。
◆20番(田中尚君) 今、市長がおっしゃった方向、そのとおりだと私も思います。 そこで、このチップなんですけれども、今どういうふうな状況が起きているかといいますと、一方においては、製紙メーカーがパルプに使うための需要があると。そういう中でこの
木質バイオマス発電、
発電事業がいろんな意味で、これは必ずしも手放しで評価の対象になっていないと私は思っております。一番やっぱり効果の上がるのは熱利用だと、チップ材を燃やして、石油に代わり得るものとして、石油を使わない代わりにやっぱりチップを燃料にして燃やして、そこの熱を地域の熱暖房だとか、あるいは、先ほど紹介したような温浴施設の水を温める、そういう燃料源にするとか、こういうふうなことをやっていけば、どんどん需要は、私は広がることが期待できると思うんですね。 現に今、宮古市はペレットも含めてストーブの設置補助もやっていると私は認識をしております。最近では、まきをそのまま燃やしても十分使えるような、そういうようなことで、それも補助の対象ですよというふうになってきていますので、家庭用の需要もあります。大きなところでは、やっぱり
公共施設の、そういうサン・スポーツランドみたいな、あるいは浴場を抱えるホテル等々の事業分野で、しっかりここで大量に消費するということがあれば、チップ工場もやっぱり立ち上げていこうかということになろうかなと私は思いますので、ぜひその具体化を急いでいただきたいというふうに思います。 同時に、私どもも岡山県の真庭市に行かせていただいたわけでありますけれども、みんな宮古の林家の皆さんもおっしゃっているんですけれども、手間稼ぎになるというんですね。例えば、家庭の方も、ちょっとしたお庭をお持ちの方が枝打ちをしたりなんだりして、それをチップ工場の手前のトラックスケールで量るところに持っていくと、何千円とか1日に稼げるということで、小遣い稼ぎになってとてもいいという効果が岡山県では、真庭市では生まれております。 当然、宮古市もそういうチップ工場を造るということが日程にのってくるとすれば、そういう材料を買って集めるんじゃなくて買い取る形で、搬入コストは皆さんの自助努力で協力をいただきながら、しかし、そこにお見えになられる方々もしっかりとお金がもらえる。今どうなっているかといいますと、広域行政組合が管理しております小山田の処理施設で焼却しているというふうに聞いております。もう雲泥の違いですよね。お金をかけて、税金というコストをかけて灰にしてしまう、片方は消費になる、雇用も生まれる、こういうふうな方向につながる大事な課題だなと私は思っておりますので、市長もその辺は十分正確な認識しておられるなと思っておりますので、ぜひそういう方向に向けて、一日も早く事業の構築が期待できますことを私は最後に期待をして終わります。
○議長(
古舘章秀君) これで田中尚君の
一般質問を終わります。 次に、5番、
小島直也君に質問を許します。
小島直也君。 〔5番
小島直也君登壇〕(拍手)
◆5番(
小島直也君) 12月
定例会議において
一般質問をさせていただきます。通告に従い、真面目にやっていきたいと思います。 1つ目は、2025年を見据えた
介護予防についてです。 おとといの竹花議員の質問で、本市の介護について理解を深めることができました。竹花議員、ありがとうございます。竹花議員と同様に、私も2025年問題、そして、2040年をどう迎え撃つかが心配であります。全国的な高齢化社会に立ち向かう体制についてですが、人口を多く抱える都市部と地方の違いは、かなり大きい差があると思われます。高齢者の増加は2040年がピークと推測されています。人口の構成を見ても、これからの日本は支える側の若者に比べ、支えられる高齢者がいかに多いことか。 福祉政策論を教える中央大学教授は、2040年を厳しく分析しております。85歳以上の人口が高齢人口の3割近くになり、高齢世代がさらに高齢化する、高齢者の困窮が進み、高齢世帯の中の単独世帯が4割を超え、孤立化が進行すると予測しております。近い将来において、就業する人々の中で、介護に関係した仕事に就く人の割合が5人に1人の時代が来るとの予測もしております。 現在は、新型コロナウイルス感染症の拡大で、人口の多い都市部に医療の逼迫した状況が生まれています。北海道の旭川市や大阪府では、現状の医療体制では抱え切れないことから、自衛隊に医療の救援を要請しております。看護師が足りないという事態が生まれています。安全なワクチンが広く全世界に接種が行き渡る日が来ることを願わずにはおれません。 一方で、介護の現場では、5年後、10年後の逼迫状態はかなり前から心配されているところです。ヘルパーやケアマネジャー等、第一線で働いている方の数は需要に応えることができるのでしょうか。人口の集中する都会では、それこそ地方から人材を取り込むことを考えるかもしれません。あるいは、高齢者を人口の少ない地方の自治体に転出させる策を講じるかもしれません。どのような時代が来ても、右往左往しなくてもいいように、今こそ将来を見据えた
介護予防を真剣に考えることが重要だと思います。 誰もが年を取れば認知症や要介護になる可能性があり、それは恥ずべきことではありませんし、日本では、2人に1人はがんにかかるとの報告も確かな数字だと思います。新型コロナウイルス感染症に対して、市民一丸となって向き合っている現在の私たちの気持ちと同じく、
介護予防にも市民一人一人が身近な問題として向き合うことが必要だと思います。健康で長生き、つまり健康寿命の延伸は、
山本市長の打ち出した政策の一つでもあります。この住み慣れた宮古市で人生を最後まで過ごしたいと考える市民に応えるために、行政は、市民に福祉の恩恵をさらに行き渡らせる務めを奉仕しなければと考えます。 国の示す福祉政策の未来構想は、地域包括ケアシステムの深化であり推進だと思います。おとといの会議で、竹花議員が危惧した要介護度の改善を目指したインセンティブ制度について、伊藤部長のほうからは、本市では実施していないとの答弁がありました。私は、それはそれでいいと思いました。第7期の計画もおおむね目標が達成しているとのことですし、
介護予防に関しても、市民の健康増進、認知症初期集中支援においても成果があったとのことです。 さて、第8期の計画に当たって、
介護予防に本腰を入れる必要があります。市民の健康づくりを誘導していく責務をどう果たしていくのか、次の2点について伺います。 1つ目として、少子高齢化や結婚をしない人が増えている状況で、今後は単身世帯の増加が考えられます。また、既婚の夫婦であっても、2人とも長生きとは限りません。人生には突然の別れはあります。今でも、独居高齢者の孤立は悲劇を生みかねません。東日本大震災からもうすぐ10年、私は、あの災害を乗り越えてきた被災者の皆様には誰よりも幸せになってほしいと思う気持ちを持っております。震災後の仮設住宅でのにぎやかな励まし合い、災害公営住宅に暮らしている独り暮らしの方々に寄り添い、楽しみを与えた福祉の関わりこそ、これからの高齢者に対しても変わることなく施すことが責務と思います。 昨今、コロナ禍が人々のつながりを希薄にしている面も否めません。宮古市では、公民館での様々な活動も自粛ムードになっていますし、身近な施設が老朽化で利用ができなくなり、活動域が狭まっていくことを残念に感じている市民が少なからずいます。独り暮らしの方々が集会所に集まる機会がなくなったとの声も聴きます。コロナ禍ですから仕方がないと考えますが、孤独、孤立こそが高齢者の病の原因になります。元気な高齢者が地域に笑い声を弾ませて集えるように行政が誘導するべきと考えます。独り暮らしの方々を家から呼び出し、交流を生ませることが求められます。市長の考えを伺います。 2つ目は、高齢者の見守りについてです。 人生100年時代を迎えております。厚生労働省は、加齢に伴い筋力や心身の活力が衰え、介護が必要になる一歩手前のフレイル、虚弱の人を把握するために、75歳以上を対象にした新たな健診を行っています。このことは、健康寿命を延ばす上で大きな意義があると考えます。 その健診の質問の中身は、栄養、運動、社会参加などについてです。運動機能の低下が老化を進めないように、日々の生活がとても大切です。コロナ禍の影響は、人のつながりを希薄にするにとどまらず、社会との接点を奪い、鬱や認知機能の低下につながる負の連鎖を生み出しています。元気な高齢者が病気がちな方々に関わりを持って励ますことは、生きがいにもなると思います。 私たちは、ほかの人に対して励ましの言葉をかけたとき、自分が気づかないうちに自分のほうが元気になっていることを経験しております。1週間に1回、5分でも10分でもいい、我々を含む団塊の世代の方々がボランティア精神を行動に移し、地域の高齢者を気にかけて見守りながら暮らしたときに、市民と市民の絆を固くでき、それは市民の生活の向上につながることと確信いたします。ボランティア活動はお金や時間がある人がする特別なことではなく、誰もができる範囲で行う当たり前のことなのだということを市民に広めていったときに、お互いが支え合うという共助の精神が高まると思います。増え続ける高齢者の方々に充実した人生を送っていただくことこそ、高齢社会の理想です。 第8期の計画の重点施策に、公的サービスと地域コミュニティが協働して助け合いながら仕組みづくりをするということが掲げられています。それは、元気な高齢者のお力をお借りして福祉のまちづくりを成し遂げることではないでしょうか。大人がそのような模範となる生活環境をつくることができたら、後に続く若い方々にすばらしい無形の財産として受け継いでもらえると思います。高齢者を思いやる心、福祉のまちづくりなど市民への啓発を促すための取組をどのように考えているか、市長の見解を伺います。 最後に、
不妊治療への通院費の助成についてです。 国内で5.5組に1組の夫婦が
不妊治療を受けていると言われています。その原因の一つに考えられるのは、晩婚化と言われています。結婚を望んで夫婦になり、子供を授かりたいと願うのはごく自然なことです。結婚して3年、5年と経過して、
不妊治療を始められる方々もおられるでしょう。公明党は、22年前から主に女性局によるわけですが、
不妊治療に公費の助成ができるように取り組んできました。2018年の民間が調査した資料によると、
不妊治療を受けた方の約20%は300万円を費やしているとのことです。体外受精や顕微授精などでは、1回の治療費が50万円前後となっております。現在、保険適用になるのは、初診の段階で不妊の原因を調べることにとどまっています。 国は、このたび
不妊治療費に保険が適用されるよう、抜本的な改正に向け動き始めました。その実現の前段階で、明年1月から治療費の助成額を30万円とすることや、所得制限の撤廃、治療回数の拡大も示しました。 私は今回、中学生の元気なお子さんを持つ2組の
不妊治療で子供を授かった方々の苦労話を聞くことがありました。その方たちは、治療費の助成があることも知らずに、子供欲しさで仙台のクリニックに何度も通ったそうです。経済的に大変なだけでなく、治療は肉体的にも精神的にもきつかったと話しておりました。その方々に、苦労のかいあって元気な赤ちゃんが生まれ、元気に育っていることは幸運なことだと思います。 国の
不妊治療への助成拡充は、少子高齢化に一石を投じるものと思います。ただし、経済的に苦しい夫婦にとっては、保険の適用が実現したとしても、通院費が重荷になることも考えられます。さきの夫婦にあっては、仙台に何回も通った事実があります。県内では盛岡での治療も可能ですが、金銭的な理由で途中で治療を諦めずに済むよう、低所得者に対する
不妊治療に係る通院のための交通費の助成を行うべきと考えますが、見解を伺います。 以上で壇上の質問を終わります。(拍手)
○議長(
古舘章秀君)
山本市長。 〔市長
山本正徳君登壇〕
◎市長(
山本正徳君) ただいまの小島議員のご質問にお答えをいたします。 初めに、2025年を見据えた
介護予防についての質問にお答えをいたします。 独居高齢者等を孤立させないためには、集いの場や通いの場を確保し、それを継続していくことが重要であると考えております。宮古市では、地域包括支援センターが中核機関となり、身近な地域での通いの場への参加を働きかけるなど、
相談対応や調整を行い、高齢者を孤立させない地域づくりを進めております。孤立させない方策の一つとして、ハード面では、健康遊具やあずまやを備えた健康公園を整備することで、高齢者などが集まりやすい場所を提供いたしております。ソフト面では、高齢者が自分らしく活躍できる通いの場であるシルバーリハビリ体操を活用した
介護予防教室を実施をいたしております。今後も、住民主体の通いの場の立ち上げや指導者の育成などに取り組み、高齢者を孤立させない地域づくりを支援してまいります。 次に、独居高齢者の見守り体制と啓発についてのご質問にお答えをいたします。 市におきましては、いわて生活協同組合、ヤマト運輸株式会社岩手主管支店及び日本郵便株式会社との見守り協定の締結や、警察署等との連携によりまして、独居高齢者の緊急事態等への対応に取り組んでおります。また、地域包括支援センターに地域の支え合いを推進する生活支援コーディネーターを配置するなど、地域に合った見守り体制の整備等も進めております。市民の独居高齢者への見守り意識の醸成を図るため、毎年、市広報にパンフレットを折り込んでいるほか、市ホームページへの掲載等により周知をいたしております。これからも行政連絡員及び関係機関等と緊密な情報共有を図ることで、高齢者を孤立させない、地域に合った見守り体制の構築に努めてまいります。 次に、
不妊治療への通院費の助成についてのご質問にお答えをいたします。 現在、国において、
不妊治療の助成額の引上げなどの助成制度の拡充及び公的医療保険の対象とする方針が検討されているところであります。議員ご承知のとおり、市におきましては、平成23年度より経済的負担の軽減を図ることを目的に、
不妊治療のうち、保険適用とならない特定
不妊治療に対する費用助成を行っております。市の助成は、県の助成額に100万円を上乗せしており、ほぼ全ての方が自己負担なく治療を受けることができております。 また、過去5年間に助成を受けた方の通院先につきましては、盛岡市内が74%、仙台市内が26%となっております。昨年11月に新規の指定医療機関が盛岡市内に開業してからは、助成を受けた方全員が盛岡市内の指定医療機関に通院をいたしております。このことから、通院に伴う経済的な負担の影響はそれほど多くないと思慮されることから、通院費の助成につきましては、現時点では必要ないと考えております。 市といたしましては、国の動きを注視しながら、不妊に悩む方への支援を引き続き行ってまいります。 以上、答弁といたします。
○議長(
古舘章秀君) それでは、再質問があればどうぞ。
小島直也君。
◆5番(
小島直也君) ご答弁ありがとうございました。
不妊治療への通院費の助成については了解いたしました。本当に市の手厚い助成がされていること、そして、今後の国の動きを注視しながら、また、
不妊治療を受ける方が底辺に広がって、若い方々が望むような事態が生まれたりして、子供の出生率アップにつながるようなときは、また次の段階が来るのかとも考えられます。そのときは、またご考慮いただきたいと思います。ありがとうございます。
○議長(
古舘章秀君)
小島直也君。
◆5番(
小島直也君) では、介護のほうの問題についてお尋ねします。 通告に載せたつもりですが、公営住宅の集会所の件なんですけれども、その集会所に集まる機会がなくなって、もう公営住宅に、部屋にとどまっているという方々が散見されます。その方々の、独り暮らしの老人の方々に、ヘルパーさんとか、ケアマネジャーさんとかがついている要介護の人であれば安心かと思いますけれども、そうでない介護度のない方々の健康維持のためには、集会所の活用が必要と考えますが、それを今の段階の集会所の利用の仕方、管理人が鍵を持って開けたり閉めたり、あるいは1時間100円の使用料とか、そういった問題の改善策はないものでしょうか。伺いたいと思います。
○議長(
古舘章秀君) 小島議員。 この
介護予防に関する部分という捉え方かもしれませんが、集会所の利活用の部分と捉える部分もありますので、その辺を明確にしながら質問していただければと思います。
◆5番(
小島直也君) そう思って、ここに載せたつもりですが、それは後で担当の方とまたご意見を聞いてみたりしたいと思います。
○議長(
古舘章秀君)
小島直也君。
◆5番(
小島直也君) 次の質問に代えさせていただきます。 国の福祉政策のほうでも、各自治体の見守り体制が、これからの高齢化の波に、スピードに追いつかないという予想されていますけれども、答弁の中には、いろんな関係した団体より見守りいただいて大丈夫だというような取組の現状が示されましたが、本当に大丈夫かどうか。 実は、こういうこともあるんですね。私も実は毎朝、新聞配達していますけれども、この10年間のうちに独り暮らしの方の3人の死亡を、自分が新聞を入れている方の死亡を、推定死亡時刻から3日後に、これはおかしいぞということで警察に通報して発見した経緯があるんですけれども、高齢者単独世帯の方々、要介護になっていない方々がそういった事態に陥ることがあるので、こういった警察とか郵便局とか、いろんな連携がされていると思いますけれども、地域の方々とその地域包括支援センターと地域の民生委員とか、行政連絡員とかのつながりの強化はどうなんでしょうか。地域の住民を巻き込んでそういった心配のないような社会、そういうまちづくりを望むわけですけれども、いかがでしょうか。お願いします。
○議長(
古舘章秀君) 伊藤
保健福祉部長。
◎
保健福祉部長(伊藤貢君) お答えいたします。 議員おっしゃいますとおり、どこまでが大丈夫だという部分はないと思います。これは切りがなくて、本当にどこまでもやっていかなきゃならない部分だと思います。その中で私たちが考えているのは、地域の力という部分だと思います。孤立されている高齢者の方もいらっしゃると思います。それは私たちが把握できていない方かもしれません。そういう方々に地域の方が、どうしていましたかというふうな声がけをするとか、あるいは、お変わりはありませんかとか、あるいは、挨拶を交わすとか、そういうふうな部分だけでいいと思うんですけれども、そういうふうな地域の力、それは民生委員さん、行政連絡員さん、そういうふうな各皆さんの力を、協力いただきながら進めていかなきゃならないのかなというふうに考えてございます。
○議長(
古舘章秀君)
小島直也君。
◆5番(
小島直也君) ありがとうございます。 さっきの答弁にありましたように、このように市の広報にも挟まって、読んでみますと本当に心が洗われるような内容で、本当にこのとおり市民の皆さんが実行したり隣近所のことを思って生活すれば、最高のまちづくりになるなと思いながら、ところが、実は、あのお宅に高齢者がいるな、デイサービスに通っているな、ヘルパーさんと会えた、ヘルパーさんに様子を聞こうかなと思って、心配してですね、その独り暮らしの方を心配してヘルパーさんに聞こうとしても、ヘルパーさんには守秘義務ですか、語れない責任がありますよね。ですから、その老人がどのような状態なのかも分からない、その方が本当に三、四軒向こうの方でも知り得ないというような事実もあるんですね。 その辺、災害時の救援とか避難所での生活にも、そういうことを考える方々にとっては、知らないということが本当にマイナスのことなんですけれども、その辺の改善策とかはどうなんでしょうね。もちろん個人情報に立ち入ることはできないというのは分かるんですけれども、災害のときにこそ助ける、助けたい人のことを知らないでいるという町内会。竹花議員の質問のときには、町内会が面倒見切れないんだというようなお言葉も、多分、議員のほうからは言いたかったのだな、私も同じ町内会ですので、ご苦労は分かっているつもりで言うんですけれども、その辺の何か改善策といいますか、何か知恵がありましたらば教えていただきたいと思いますが。
○議長(
古舘章秀君) 伊藤
保健福祉部長。
◎
保健福祉部長(伊藤貢君) お答えいたします。 プライバシーの尊重の部分で、議員おっしゃるとおり、なかなか情報が伝わってこない、それから、心配しているけれども教えていただけないという部分はあると存じます。その中で、私たちは、今年ですか、民生委員さんの協力をいただきまして、地域で独り暮らしされている方で、それから、家からなかなか出られないとか、地域の方となかなか交流がない方がどれぐらいいるのかというふうな部分を調査させていただいていました。そういうふうなデータも持ち合わせておりますので、あとは、やはり人がいかにその方と関わっていくかというのが一番大きいとは思うんですけれども、そのためにやっぱり隣近所さんの方への協力をお願いしなきゃならないんですけれども、いかにして孤立させないか、そういうふうな部分はこれからも考えていかなきゃならないと思います。
○議長(
古舘章秀君)
小島直也君。
◆5番(
小島直也君) ありがとうございます。 課題はたくさんあるのだと思いますけれども、一つ私が1人の人間として努力していることに、いろんな方に声かけて、挨拶から始まって、その声がけ、そして、その方が笑って暮らせるようにと思っていろんな方と接しているわけですけれども、市の福祉のほうの政策として、その扶助、つまり生活保護の給付とか、あるいは障害者年金の給付、支給、または、その障害者の就労の支援とか、いろんな手だてを、たくさん福祉の分野で本当に何十人もの方が力を注いで、それこそ社会福祉協議会の力も得たり、いろんなグループホームの皆さんの力を借りて運営している大きな大きな事業ですけれども、その方々が給付金をいただいて、それだけで生活が満足しているわけではないと思うんですね。 もっと市民と市民との触れ合い、例えば、グループホームに入っている精神障害の方々、一般の方と触れ合いたい、一般の方といろんな会話もしたい、対話もしたい、でも、それもできなかったり、病状にもよるかもしれませんけれども。障害年金をもらって引き籠もっている方々、社会との接点をつくりたいんだろうなと思いながらも、なかなか、多分、福祉のほうでは大丈夫、専門のケースワーカーさんが通っていますよという言葉はあるかもしれませんけれども、私の何人かの知り合いの中では、本当に寂しい思いして引き籠もっているような方々がいます。その方々との接点を地域の見守る方、民生児童委員の方々、もっとこう積極的に動けるようなご指導とか、何か施策はないものでしょうか。 本当に、例えば、障害者の方が車椅子で気軽に出て、近所を歩けるような雰囲気をつくるような努力、本人の努力も必要かもしれませんけれども、そういったのが、これからの社会に求められるというのをすごく感じますけれども、その辺の施策がありましたらば、今後の福祉計画にのせられるようなものがあったらば伺いたいと思います。
○議長(
古舘章秀君) 伊藤
保健福祉部長。
◎
保健福祉部長(伊藤貢君) 満塁ホームランを打てるような部分は、今のところ、本当に構築していかなきゃならないなとは思っていますけれども、今そこを目指しているところでございます。 地域における包括的な支援体制というのがございます。その中にご近所さんの力とか、自治会の力とか、民生委員さんとか、あるいは老人クラブの力とか、そういうふうな部分での、多くの方から多くの目で、いろんな地域を見ていただいて、その中で、この方は孤立されているなとか、あるいは、金銭的には大丈夫だけれども何か心に悩みを抱えているんではないかというふうな部分をいち早くつかんでいただいて、こちらのほうに情報を流していただきますと、こちらのほうは部だけではなくて、各横断的に市役所の中で情報共有できていろいろな対応策取れるようなシステムができてございますので、その中でやっていくしかないのかなとは思ってございます。 金銭的にはあれだけれどもということで、やっぱり心を持って接していかなきゃならないのかなというふうには感じております。
○議長(
古舘章秀君)
小島直也君。
◆5番(
小島直也君) ありがとうございます。 本当に私もこうやって
一般質問をするに当たって福祉政策を学んだりしていますと、本当に人の一生、人の人生、本当にいろいろ学ぶべきことがたくさん出てくるんですね。 一つこの福祉政策を学んでいるうちに、富山型デイサービスというキーワードが出てきまして、富山県のデイサービスを立ち上げた
NPO法人を模範として、全国に1,700の事業が広がったという事実がありまして、その
NPO法人の名前は「このゆびとーまれ」というような名前なんですけれども、その基本理念といいますか、その法人が目指す理想はこうなんですね。「人は生来、家族など共生の中で育ってきたので、要介護者や障害者だからといって画一的に健常者らと分離する必要はない。介護は人をお世話するということよりも、人に関わるということだ」ということで、その事業の特徴としては、高齢者のデイサービスも、障害者のデイサービスも、子供まで交えて誰でも受け入れるという10人から20人ぐらいの小規模な多機能のそういうデイサービスセンターなわけなんですけれども、それが全国に1,700事業所に広まっているというのを聞きまして、見まして、こういう事業は宮古市にはまだないですかね。どうでしょうか。
○議長(
古舘章秀君) 伊藤
保健福祉部長。
◎
保健福祉部長(伊藤貢君) 勉強不足で富山型のデイサービスの中身をよく理解していないので、何とも答えられないのですけれども、そのデイサービスの中で、いろいろな部分で、障害の方とか、高齢者の方とか、その方に特化することなくて、いろいろその方に沿ったサービスをしているというふうなシステムは、宮古市にもあるというふうには思っておりますけれども、先ほど申し上げましたとおり、富山型のデイサービスをよく理解していないので、何ともお答えできません。
○議長(
古舘章秀君)
小島直也君。
◆5番(
小島直也君) ぜひ勉強していただいて、そのような理想環境をもしつくれるんであれば。その
NPO法人は3人の看護師がそれまでの経験を生かして、子供も、障害者も、精神障害者も、寝たきりの高齢者もというような感じで、小規模ではあるけれども、本当に人間らしい家族的な、家族愛に包まれたような介護をしているという現実が全国に広まっているという記事を私、勉強させていただきましたので、どうか研究のほどよろしくお願いいたします。 最後になりますけれども。
○議長(
古舘章秀君)
小島直也君。
◆5番(
小島直也君) この宮古市から孤独とか孤立とか、孤立無援とかというような言葉をなくしていけるような宮古市をつくる、市長のお気持ちはそのとおりだと思いますが、私も微力ながらいろんな方に声をかけて頑張っていきたいと思いますが、その決意といいますか、市長からもお聞かせいただければと思います。
○議長(
古舘章秀君)
山本市長。
◎市長(
山本正徳君) やはり市民みんなで、ここに住んでよかったというような気持ちを持つためには、小島議員がおっしゃったように、一人一人を大事にする姿勢はこれからも行っていかなければならないんだろうというふうに思っています。誰一人取り残さないというSDGsの考え方にも沿って、我々も精進してまいりたいというふうに思っております。
○議長(
古舘章秀君) これで、
小島直也君の
一般質問を終わります。
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△散会
○議長(
古舘章秀君) 以上で、本日の日程は全部終了しました。 お諮りします。 明日12月17日は、常任委員会等記録整理のため休会にしたいと思いますが、ご異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(
古舘章秀君) 異議なしと認めます。 よって、明日12月17日は休会とすることに決定しました。 本日はこれをもって散会します。 ご苦労さまでした。 午前11時33分 散会...